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[プロジェクトマネジメント CCPM編] プロローグ

この特集記事では、納期を半減するCCPM(クリティカルチェーン プロジェクトマネジメント)について、できるだけ簡明に解説してゆきます。

プロジェクトのスタート時、その計画段階でとてつもないいい加減さがあります。

皆さんの職場では次のようなやりとりはないでしょうか?

 

エンジニアA君が上司からあるタスク(作業)の見積りを依頼されたとしましょう。

 

  •   上司  「この作業は何日でできるかね」
  •   A君  (心の声:本当は1日あればできるけれど、余裕を見て答えておこう)
           「2日あればできます」
  •   上司  「そうか、では3日見ておけば大丈夫だな」
  •   A君   「はい」 (心の声:1日の仕事に3日もらえた! やった)

 

多くの場合、上司も下流工程に責任を負っていますので自部署で期間の余裕をできるだけ確保したいというものです。

 

例外的に、マネージャの中には、サバを見破って「1日でしなさい」という人もいます。

 

しかし、そのような厳しい上司の元で働く部下は、作業期間が削られることを見越して、さらに割増しした納期を申告するようになります。このように納期確保の心理戦が繰り広げられます。

 

 

サバ読みは善か、悪か

 

「このように2倍から3倍の余裕期間を持つことは善でしょうか、悪でしょうか?」

 

セミナーで受講生に尋ねると、大体3分の2の人は「悪」と答えます。残り3文の1の人は「善」と答えます。

 

「悪」と答える人が多いところをみると、皆さん良心の呵責を感じながら、サバを読まれているようです。「悪」と考える理由-それは2倍から3倍の期間を申告するということは、人件費ベースのコストが2から3倍に見積もることに等しいからです。社長の立場から、つまり経営的な観点からは看過できないと思うからでしょう。

 

一方、「善」と答える人は、「何が起こるか判らないので、サバを読まないと責任を負うから」という考えに基いています。

 

確かに、想定外の事が生じるのが「プロジェクト」です。

 

  •   緊急対応の仕事が入るかもしれない
  •   他の仕事も抱えている
  •   体調を崩すかも知れない
  •   簡単そうに見えても手こずるのは良くあること
  •   そもそもやってみないと判らない

 

確かに、サバを読む正当な理由はありそうです。しかし、このサバがコスト増大の原因、そして短納期の妨げになっているのは間違いありません。

 

では、本当に「2倍も3倍もサバを読むものなのでしょうか?

 

もし、2倍も3倍もサバを読んでいるなら、本当はコスト半分、納期半減にできるのではないでしょうか?

「その通り」です。

 

わたくしのセミナーで「納期は半分になります」と宣言すると、それだけで拒否反応を示される人も多いのです。でも、徐々にそのメカニズムを理解いたけます。

 

 

次の記事では、サバをもう少し科学的に考えてみます

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