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[プロジェクトマネジメント CCPM編] 無駄に使われる余裕期間

プロジェクトに膨大な余裕期間があるのなら、ほとんどのプロジェクトが納期以前に完成してもよさそうですが、実際には早く完成しません。余裕期間はどこにいったのでしょうか?

 

先のA君の例で考えましょう。A君は1日あればできるタスクに3日の期間をもらいましたが、A君はこの仕事を1日で仕上げるでしょうか?答えはNoです。その理由は幾つかあります。

 

【理由1】 1日で終わらせてしまえば、次はぎりぎりの期間しかもらえなくなる

 

【理由2】 余った期間で十分テストし、品質を上げる。自分が担当した部分で障害が発生したら責任問題になるので

 

【理由3】 早く後工程に引き渡しても、すぐに引き継いでくれる訳ではない。逆に「そんな早くもってこられても、困る。別の作業中だ」と迷惑がられる

 

【理由4】 十分余裕があるので、遅くに始めても間に合うと考えて、2日目午後から作業に入る。結果、完成するのは納期ぎりぎりの3日目になる

 

 

このようにして、膨大な余裕期間はすべて消費されてゆきます。

特に仕事を掛け持ちする多忙な現場では、前記の理由4のため、着手がぎりぎりになりがちです。これをCCPMでは「学生症候群(スチューデント・シンドローム)」と呼びます。夏休みの宿題になかなか手を付けないのと似ているからです。そしてこのような場合やっつけ仕事になりがちであるため、品質も低くなります。皮肉なことですが、良かれと思って余裕ある期間を与えると着手が遅くなり、品質もガタガタになります。

さて、次回はなぜプロジェクトは遅れるものなのか?を考えます。

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